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ネタバレ要注意です!!
久蔵×平八小説もどきですvv
女性向け表現が少し含まれています!
苦手な方は「続きを読む」に進まないようにご注意ください。
ネタバレ話です!!!
久蔵×平八小説もどきですvv
女性向け表現が少し含まれています!
苦手な方は「続きを読む」に進まないようにご注意ください。
ネタバレ話です!!!
死にネタです!ご注意してください。苦手なお方は下へ進まないようにしてくださいね。(汗)
久蔵×平八です!
走馬灯
――人は死ぬ刹那、己の過去が脳裏に浮かび通りすぎるという――
冷たい柱と鉄の塊に挟まれて平八は永遠の眠りを迎えようとしていた…。
だんだんと薄らいでいく意識の中で、冷静にそんな事を考えてしまう己に、
もう動かす事すら難しくなってきた口唇の傍を
ゆっくりと上げた。
「……っ…ほ…とう…で…た…ね…」
腹を圧迫する重圧に、苦しみながら振り絞るように呻く。
鉄に挟まれたあの瞬間…垣間見えた光景…
揺れる金の髪…
白い肌を流れる汗と熱い吐息…
そして隠しきれない鮮やかな紅…
一瞬の間に流れていく情景は初めて彼と繋がった瞬間の映像で…すでに見えなくなってきていた視界が、
まるで水面を見上げたようにぶれた事で、平八は始めて自分が涙を流している事に気がついた。
「…これ…はっ…これは…」
死を恐れていないとは言わない…、誰でも少なからず持っている感情だと平八は認識していた。
誰でも…そう、彼も…、あの金髪の侍ですら胸の内にその恐れを少なからず持っているはずなのだ…、
自らが気がついてないにしても潜在意識の中に人の本能として存在しているはず…と。
ならば己のこの涙もその恐れから生じた現象にすぎないのか…、それとも止める力を失った故に生理的に流れ出たのか…。
どちらにしてもあまり人には見られたくない姿に…今、この場に他に人がいない事を柄にもなく神に感謝した。
もう朽ちる身の上で、恥も体裁もなかろうに…。
平八は段々と機能しなくなっている腕で最期の力を振り絞って顔の辺りまで動かすと
、涙に濡れた顔を隠すように目の上に腕を置いた。
止める術を忘れた瞼では溢れ出る雫をせきとめる事ができない…。
ならば隠してしまおう…そう考えての行動だった。
「…隠すな…」
頭の中で低い声が響く…。耳の横で鼓膜をくすぐった熱を含んだ声音…。
…久蔵…殿…
溢れる涙は相変わらずで、置いた袖を濡らしている。
「…はあ…あっ…、…そう…っ…ば…っ…」
思い出したように平八は重くなっている口唇を動かした。
「……っり…見られ…て…まし…たね…」
垣間見た情景の中にあった一時…あの時、始めて人前で涙を零したのだ。
痛みと屈辱で流れ出た雫…、切なさと苦しさで止められなかった雫…
見られたくなくて覆い隠した腕を、力任せにはぎとらた一時を…。
「……ずる…い…です…っね…」
自分は彼のそんな顔を見た事がなかった…、多分、唯一見忘れた表情…
「私…だけ…が…い…も…」
残された時間がもう残ってない事を平八は気がついていた…。
荒かった呼吸がゆっくりと音を失っていく…。
遠くで響く爆風の音が消えうせた…。
彼がその時を迎える間際…走馬灯を見るだろうか…、彼がみるその情景に自分は存在するのだろうか……
―願わくば…かけらでよいから思い出して欲しい……
「――…―………。」
その役目を終え形を成さなかった音が静かに大気に溶けていった…。
終
・今年初の小説にして、初お侍98書きでした。(汗)
忘れもしない、1月4日の早朝に半分寝ながら書いた小説です。
初めての98が死にネタなんて・・・。泣
衝動的に書いたのでなんとも言い訳ができないのですが・・(泣)
感想とか頂けたら喜びます!
この話は平八サイドですが、今久蔵サイドも書いたりしてたりします。
そのうちこっそりアップするとおもいます。
読んで下さりありがとうございましたvv
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